フエ

フラッグタワー

グエン朝王宮門

フエ

16日(くもり)、17日(雨)

 2日間の滞在を終えてハノイを出発した我々一行は、12時35分発の飛行機でフエに移動した。1時間と少しでフエ空港に到着。フエ空港は日本では飛行場と呼ばれるような小さな空港であった。ハノイより湿度が高い。すぐに市内のレストランに向かい、ベトナム料理の昼食を取った。バナナの皮で包んだ”ちまき”がおいしい。ベトナムのビール”BBB”にちょうど合う。エビ、蒸し魚、生野菜の他に鍋料理まで出てきて、実に食材豊富である。食べ物の豊かな国の人々は心も豊かになるのであろうか。

 フエは17世紀には東南アジアの貿易拠点として栄えた町で、1802年にグエン朝が成立、以来1945年まで13代に及ぶ王朝の首都であった。このグエン王朝の王宮や歴代皇帝の廟などが世界遺産に登録されている。これら全てを訪れようとすると何日もかかるようである。我々は約1日半の滞在期間中に5カ所を回ることにした。

 1 フラッグタワー

 2 グエン王朝宮

 3 天女(ティエンムー)寺

 4 カイディン帝廟

 5 トゥドゥック帝廟

天女寺  
 フエの北にはかつてベトナムを2分していた北緯17度の非武装地帯がある。南北戦争時代の激戦区でいまでも当時の生々しい傷跡が残っていると聞かされた。旅行者が足を運ばない地方はもっとすごいそうである。平和な時代に世界遺産巡りできる有り難さに思いを寄せ、感謝した。フエの世界遺産もアメリカ軍の爆撃によりかなり破壊され、現在も修復が続く。人の家に上がり込んで大切な物を壊すなどという行為がなぜ許されてきたのか、あらためて疑問を感じた。

 夕食はフエ王朝料理で舌鼓。我々一行は全員王朝の服を着て着席、ベトナム音楽の美しい調べとLUA・MOI(ルモイ)と言うベトナムの焼酎に酔いしれた。我々のために8人の演奏家は一生懸命だ。1弦琴の音色が何とも美しい。食事の後、お礼の気持を込めて皆で集めたチップを手渡すと、たいそう喜ばれアンコールで答えてくれる。お金の価値とは全く別の心を交換できた、思い出深い一時であった。